ゴルフ肘（内側上顆炎）は、肘の内側に痛みを引き起こす状態です。この痛みは、前腕の筋肉と腱が肘の内側の骨（内側上顆）に付着する部分に炎症が生じることで発生します。

ゴルフ肘（内側上顆炎）は、肘の内側にある腱が過度に使用されることによって引き起こされます。具体的な原因を以下に詳しく説明します。

1. 反復運動による過負荷
● スポーツ活動：
　○ ゴルフのスイング動作が典型的な原因ですが、他のスポーツ（野球、ソフトボール、テニスなど）でも前腕の屈曲や回内（内側にひねる動作）を繰り返すことで発生します。
● 職業的な動作：
　○ 繰り返し腕を使う動作を伴う職業（配管工事、大工仕事、肉体労働など）もゴルフ肘の原因となります。重いものを持ち上げる、ハンマーを振る、ドライバーを使用するなどの動作が該当します。
　○ デスクワークでのキーボード入力やマウス操作など、長時間のデスクワークも原因になることがあります。

2. 不適切な技術や道具の使用
● フォームの不良：
　○ ゴルフや他のスポーツ、作業において不適切なフォームや技術を使用することで、前腕の筋肉や腱に過度のストレスがかかります。
● 不適切な道具：
　○ 重すぎるクラブや不適切なグリップサイズなど、適切でない道具を使用することで肘への負担が増加します。

3. 筋力と柔軟性の不足
● 筋力不足：
　○ 前腕や手首の筋力が不足していると、日常の動作でも腱に過度の負担がかかりやすくなります。
● 柔軟性不足：
　○ 筋肉や腱の柔軟性が不足していると、動作中に腱にかかるストレスが増加します。

4. 急激な負荷の増加
● 急な運動量の増加：
　○ 長期間運動をしていなかった人が急に激しい運動を始めると、前腕の腱に過度の負担がかかり、ゴルフ肘を引き起こすことがあります。

5. 加齢
● 加齢による腱の変性：
　○ 年齢とともに腱の弾力性や強度が低下し、微小損傷が起こりやすくなります。これにより、腱が炎症を起こしやすくなります。

ゴルフ肘（内側上顆炎）を放っておくと、以下のような悪影響や合併症が生じる可能性があります：

1. 慢性的な痛み
● 初期の軽い痛みが放置されると、痛みが慢性化し、日常生活や仕事に持続的な支障をきたすようになります。痛みが持続的になり、軽い動作や日常の作業でも痛みを感じるようになります。

2. 可動域の制限
● 痛みや炎症が続くことで、肘の関節の可動域が制限されます。これにより、腕を完全に伸ばしたり曲げたりすることが難しくなり、日常生活や仕事に影響を及ぼします。

3. 筋力低下
● 痛みを避けるために腕を使わない状態が続くと、前腕や手首の筋力が低下します。これにより、物を持つ力が弱くなり、握力も低下します。

4. 神経障害
● ゴルフ肘の症状が悪化すると、周囲の神経にも影響を及ぼし、しびれやチクチクする感覚が現れることがあります。これが長期間続くと、神経障害が進行する可能性があります。

5. 関節の変形
● 長期間の炎症や過度の使用が続くと、関節や周囲の組織に恒常的な損傷が生じ、関節の変形を引き起こすことがあります。これにより、痛みがさらに悪化し、肘の機能が著しく低下します。

6. 生活の質の低下
● 痛みや可動域の制限、筋力低下などが進行すると、日常生活や仕事、スポーツ活動に大きな支障をきたし、生活の質が低下します。

7. 他の関節への影響
● 肘の痛みをかばうために、肩や手首、反対側の腕に過度な負担がかかることがあります。これにより、他の関節にも痛みや問題が発生するリスクが高まります。

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